法悦のマグダラのマリア
2016年 05月 13日
最近では、マグダラのマリアが気になっていました。
キリスト教に詳しいお客様より、マグダラのマリアはいろいろな人が
描いているけれど、今回はカラヴァッジョの新作として見つかった絵が
日本で世界初の公開になるということを教えて頂きましした。
日伊国交150年記念によりカラヴァッジョ展が
上野西洋美術館で開かれています。昨日行ってきました。
(2016年3月1日〜6月21日)
バロック絵画を代表するカラヴァッジョと、その意志を引き継いだ画家達。
『光と闇』はどこまでも、対比でありながら一対の力強い印象を与えます。
また、38才という若き天才は
ただ芸術的才能にあふれているだけではなく、闇も深く
酒に溺れ、暴力を各地で引き起こし
最後は殺人まで起こしました。
激しい画家という印象は、絵に表現されています。
元々、静物画の優れた評価でパトロンをつけて表舞台に出ますが
神話や宗教画についても、彼独特な現実的な衣装や風景など工夫を凝らして
現実の暮らしに近い、またはギリシャ彫刻のような肉体美を取り入れて描かれています。
宗教画においては、カトリック側では教えを絵画で伝えるという
風潮が起こりましたがプロテスタント側から
宗教画として認められないと反発を得て、トラブルになり
殺人まで起こした経緯があります。
ミラノ フィレンツェ ローマ マルタ島へと南下し
聖ヨハネ騎士団に入団したカルヴァッジョですが、罪人として再び
移動します。
最後に持っていた3枚のうちの1枚が
「法悦のマグダラのマリア」(絵はがき)です
罪深い女性マリアが、キリストに会って改心し悦びに満ちて
ひとしずくの涙がつたっている顔が印象的でした。
もう一つ印象的だったのは”洗礼者ヨハネ”の絵でした。
これからキリストの教えを伝える使命を与えられ、その責任の重大さに
恐れを抱いている絵でした。
闇に浮かぶ”赤と青”の配色が、どの絵も特徴的でした。
by kotohoginohibiki
| 2016-05-13 13:07
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